インフルエンサーのPR効果が低下している考えられる背景
インフルエンサーを活用したマーケティング施策はすでに広告メニューとして定着して広く知られる様になりました。
一方で、費用対効果は低下傾向にあります。
その背景の1つにインフルエンサーのPR投稿の多さに広告と認識し、その利益の為に利用されたくないといった反発心や嫌悪感を持ったSNS利用者が増えたことと関係していることも考えられます。
その他では、InstagramやTwitter、TikTokなどのアルゴリズムの関係でPR投稿が表示されず見てもらえていないことやユーザーの利用頻度なども関係していることが考えられます。
TwitterやInstagramのストリーズなどで以下の様に言及しているユーザーを良く見かけます。
「インフルエンサーの投稿が全て案件に見えてしまう」リアリティのあるユーザーの生の声ですよね。
その一方で、効果を発揮しているインフルエンサーもいることも事実ですから、インフルエンサー施策全てに効果がないと言った訳ではありません。つまりやり方次第ということになります。
一過性なバズ効果の実例
一般ユーザーの中でも1投稿でバズが起きた経験を持った方も少なくありません。
しかしバズがおきたとしても特に変化がないことがほとんどです。
変化がおきない大きな理由はプロフィールに書かれている内容が魅力的ではなかったことや投稿している情報に一貫性がないこと、自分ごと化しなかったことなど理由が考えられます。
SNS利用者の多くは主に友達との交流にSNSを利用しているのでそうした一般ユーザーの投稿にバズがおきても変化はないことは当然です。
インフルエンサーの様に特定のカテゴリに特化してビジネスに繋げるための情報発信をしている場合は変化はおきることでしょう。
一般ユーザーの投稿に小さいバズがおきた実例をお見せします。
これは私の友人のTwitterアカウントのアナリティクスで確認できるある日のツイートだけ通常よりもバズがおきたインプレッションです。※許可を取って掲載しています
この友人はフォロワー数500人程度で1日複数回のツイートをして300~3,000程度のインプレッションを獲得しているそうです。水色がインプレッションでその下の薄い灰色はツイート数です。

これは通常よりもバズを起こした結果ですが、リツイートと引用RTが合計70、160のいいね、3件のコメントが付き、その投稿の総インプレッション数の合計は40,000弱獲得したそうです。
その結果、何か変化があったか聞いてみるとフォロワー獲得はゼロ、運用しているブログサイトへのアクセスは5アクセス程度だったそうです。
翌日からは、普段と同じインプレッション数やエンゲージメント数に戻ったと言います。
バズは狙って簡単に出来る様なことではありませんが、これからインフルエンサーを目指す方も企業でSNSアカウントを運用している場合もカテゴリやジャンルを搾って一貫性のある対象者へ対して有益な情報を発信することプロフィールページを見てどんなアカウントなのか、フォローするとどんなことがあるのかなどが一瞬で分かる様にしておくとバズが起きた時にフォロワーが増えた、リンク先のページへの集客ができたなど変化が現れる可能性は高まります。
誰がどの様に言及したか?またその頻度によって信用度が異なる?
人は日常生活で様々な情報を大量に認知しています。
特にSNS上では毎日大量の情報をタイムラインやフィードなどで認知しています。
これらの情報を全て覚えておくことは不可能です。
内容にもよりますが、まったく興味のない事を何となくその場で認知したとしても、繰り返しリマインドされなければ、記憶に残らず行動もおこしてもらいにくいと言えることでしょう。
SNSは認知から態度変容がおきやすい場所ではありますが、誰が言及したか、その頻度によっても認知や人を動かす力は異なります。
インフルエンサーにPRしてもらう場合、当然企画力が重要になることは間違いありません。
どの様にフォロワーの気持ちを引き込むか?が重要で、ワンショットのPRではなく継続的なPRの方が広告効果を発揮しやすい傾向があります。
冒頭でも書いた通り「インフルエンサーの投稿が全て案件に見えてしまう」「インフルエンサーの利益の為に広告的な投稿を見せられたくない」と言った意見の多くはインフルエンサーに一貫性がなく様々なブランドや商品のことをお勧めしている様子からそのインフルエンサーの信用が低下してしまっているのです。
インフルエンサーが特定のブランドや商品を中長期的に推しているのであれば「〇〇ちゃんが好きな商品だから興味ある」「〇〇ちゃんが普段から使ってる商品だから興味ある」などと感じてもらえてその影響力が発揮されることでしょう。
またインフルエンサー施策に関して弊社の経験から思う事は、ユーザーへ何となくぼやかして騙すような投稿をするのではなく、ダイレクトに宣伝であることを伝えた上で感想を付け加えた投稿コンテンツの方が好感が持たれているように感じています。
インフルエンサー施策は企業側が強い要望を複数あげてしまうと余り上手くいかないため、インフルエンサー自信のフォロワーの傾向を把握しているハズなのでインフルエンサー自信の企画力や魅せ方に任せることをお勧めします。
フォロワーの数が本当のインフルエンサーの価値に値するのか?
一般的にはフォロワー数が多いユーザーをインフルエンサーとして思い浮かべると思います。
ウィキペディアでインフルエンサーを見てみると「インフルエンサーとは、世間に与える影響力が大きい行動を行う人物のこと」と記載があります。
フォロワー数は関係なく「世間に与える影響力が大きい行動を行う人物」のことです。
この影響力は例え小さいフィールドやコミュニティにも存在します。
SNS上では多くの人たちが友達や趣味趣向の合う知り合いと繋がって交流しています。
その繋がりのある友達や知り合いの言及はSNS上のただのフォロー・フォロワーの関係性とは違い目に留まりやすいと言えます。
例えそれが少数であっても、5人、10人、20人に確実な認知を与えられたのであれば立派な拡散や影響力と言えるはずです。
大きい輪の中で情報を投下して認知を狙うのでなく、少数でも繋がりの濃い輪の中で拡散が発生し広がっていった時の影響力の方が本当のバズだと考えています。つまりクチコミです。
インフルエンサーを起用する時の主な留意点
インフルエンサーを起用する場合の費用はフォロワー数×単価が基本となります。
インプレッション・リーチ :
キャスティングする事業者によって形態が異なる場合もありますが、フォロワー数が多くても実際にどれぐらいの人たちに投稿コンテンツが見てもらえているか?が重要です。
通常のSNS広告にあるCPM課金の様に露出したインプレッション数に対して対価を支払う仕様とは異なるので、インフルエンサーを起用する場合に事前に1投稿で平均的にどれぐらいのリーチやインプレッション数があるか確認できるのであれば確認しましょう。
ターゲットがマッチしているか :
PRする商品のターゲット層とインフルエンサーのフォロワー層があっているか?確認することも重要です。
例えば男性フォロワーの多い女性インフルエンサーがいたとします。その女性インフルエンサーに女性用の美容製品をPRしても女性にアプローチすることは限りなく低い事が分かると思います。これではインフルエンサーを起用した意味がありません。
たまにそうした提案をする事業者がいるので注意しましょう。
企業側からの指示 :
余り企業側からあれこれ指示を出すことは控えるべきです。
インフルエンサー施策はインフルエンサー自信が自信のフォロワーの特性などを把握しているハズです。そうしたことを考えた上でコンテンツ提供してくれる方が一般的なので、そこはインフルエンサーにお任せした方が良いと思います。
ただし企業側としては控えてほしい表現やコンプライアンスに準じてほしいなどの基本的な考えがあると思うので後々炎上やトラブルが発生しない様にそこは最低限、事前お伝えする所ではあります。
ヘルマン・エビングハウスによる忘却曲線
マメ知識的なことを共有します。
冒頭で毎日大量の情報をSNSのタイムラインやフィードから得て情報を忘れてしまっていると言うことを書いたと思います。
参考までに記憶に関するこうした研究もあると言う事を書きます。
心理学者、ヘルマン・エビングハウスによる忘却曲線(ぼうきゃくきょくせん)が有名です。
ヘルマン・エビングハウスによるこの忘却曲線の実験は自ら「子音・母音・子音」から成り立つ無意味な音節(rit, pek, tas, …etc)を一度覚えて再度覚えるためにかかる時間をどれぐらい減らすことができるのか調べ曲線を導き描きました。
結果は以下です。 ※節約率とは同じことを覚え直すために減少した割合を言います
20分後には、節約率が58%であった。
1時間後には、節約率が44%であった。
約9時間後には、節約率は35%であった。
1日後には、節約率が34%であった。
2日後には、節約率が27%であった。
6日後には、節約率が25%であった。
1ヶ月後には、節約率が21%であった。
※以下wikipediaをご参照下さい。