Google検索からサイト流入は生成AIに奪われてしまうのか?を考える
Google検索では2024年8月からwebから情報を収集、要約した内容を検索結果の上部に自動生成してくれるAIによる概要(AI Overview)、2025年5月からから検索画面のタブを切り替えて使う事ができるAIモード、Yahoo!ではAIアシスタントとYahoo!AIが機能として加わり使える様になりました。
Google検索の上部に表示される「AIによる概要(AI Overview)」で満足する検索ユーザーを想定したSEO終了やゼロクリック問題などあります。実際に検索結果に表示されたwebサイトがクリックされていないことは事実の様ですが現時点では何か特別な対策を取ると言うよりもどういった判断をするか?の方が需要の様に思えます。
生成AIによるwebサイトへの流入低下に関する海外の調査報告とGoogleの回答記事をピックアップ
2025年7月22日に非営利団体のPew Research Centerが公開した調査では検索結果に「AIによる概要(AI Overview)」が表示されると他のウェブサイトへのクリックは低くなると報告しています。
Google users are less likely to click on links when an AI summary appears in the results ※引用/参照元
それに対してGoogleの検索部門責任者リズ・リードさんはGoogleの公式ブログで「ウェブサイトへのトラフィック全体は比較的安定していますが、ウェブは広大であり、ユーザーの動向によってトラフィックが様々なサイトへとシフトしています。その結果、一部のサイトへのトラフィックは減少し、他のサイトへのトラフィックは増加しています。人々はフォーラム・動画・ポッドキャスト・投稿など、生の声や直接の視点を聞けるサイトを探し、クリックする傾向が高まっています」と述べています。
AI in Search is driving more queries and higher quality clicks ※引用/参照元
それに対してTechCrunchやArs Technicaは「具体的な数値を示していないので説得力に欠ける」と指摘しているそうです。
Google search boss says AI isn’t killing search clicks ※参照元
Google denies AI search features are killing website traffic ※参照元
AIによる概要(AI Overview)で満足するユーザーに対する考え方やAIモードの利用について
SEOを取り組む多くの企業の最終的な目的=CV(コンバージョン)は購買やサービス申し込み、お問い合わせ、来店、認知、ブランディングなどです。
Googleの「AIの概要(AI Overview)」だけで満足する検索ユーザーは例えwebサイトに来てくれたとしても企業の目的であるCVに貢献してくれないユーザーであると判断できます。
企業のマーケティング戦略においてはそうしたユーザーをノイズとして捉え対象顧客から除外すればネガティブに捉える必要はなくなります。
また現在、利用者はそれほど多くないもののGoogleのAIモードタブやYahoo!のAIアシスタントが機能として追加されたことによって今後、利用者が増えてwebサイトへの流入が大幅に減少するのではないか?と不安に思われている方もいらっしゃいます。
GoogleのAIモードに関して言うとGoogle検索が日常的になっている検索ユーザーにとっては都度AIモードに切り替えて使用するか?疑問は残るのでそれほど気にしなくても良いと考えています。
Z世代やα世代の後に生まれてくる世代に検索習慣がなくAIとの対話がデフォルトになるのであれば検索自体終了になるのかもしれません。
Google「AIによる概要(AI Overview)」に影響受けるクエリの種類
この生成AIによって影響がでるwebサイトとそうでないwebサイトに別れることはマーケティングに従事している方であれば理解されていると思います。
インフォメーショナル(Know)クエリ=情報系クリエ
何かしらの情報を得る時に用いられるインフォメーショナル(Know)クエリの多くは検索結果の上部に「AIの概要(AI Overview)」が引用された情報で満足する検索ユーザーも一定数いることは分かるので影響が出る事は避けられません。
なにか行動をおこしたい表れのトランザクショナル(DoやBuy)クエリ
「野菜通販 資料請求」「動画サブスク 申込み」「メンズ財布 伊勢丹」など、何か行動をおこしたい表れであるトランザクショナルクリエはキーワード自体が広告出稿のレッドオーシャンになっている事が多いので「AIによる概要(AI Overview)」の前後に広告が表示される可能性が非常に高く広告と競合になってくることが考えられます。
Google「AIによる概要(AI Overview)」に影響を受けないクエリとこれからやるべきブランド想起
特定の固有名詞が中心のナビゲーショナルクエリ(Go)クエリ
ブランド名、企業名、サイト名や商品・サービス名、地名などの指名ワード=ナビゲーショナル(Go)クエリは一般的には同名や競合もほとんどいないのでSEOにも振り回される事が少なく、生成AIにも奪われにくい領域と言えます。
ブランド想起してもらい指名検索してもらえる事が最も重要ですがマーケティング施策においては更に重要になってきます。
消費行動からも分かるブランド想起、指名検索
消費者の購買行動の一例を考えてみてみましょう。
例えばAさんの家で長く使っていた冷蔵庫が壊れてしまったとします。
Aさんは冷蔵庫を出来るだけ早く買いたいと考えているハズです。
Aさんの行動はスマホで「冷蔵庫 おすすめ」「冷蔵庫 比較」などの一般名詞検索から様々なメーカーの冷蔵庫を比較してどれを買うか情報を収集します。その結果、情報収集した分だけどれを購入して良いか?迷ってしまうことが考えられます。
しかし冷蔵庫が壊れる前からAさんは「冷蔵庫と言えば東芝」「冷蔵庫と言えばパナソニック」などのブランド想起してもらえていたら冷蔵庫が壊れた時に真っ先に東芝やパナソニックの冷蔵庫を調べて情報収集する可能性は高くなるので購買してくれる確率も高くなると言えます。
ここでブランド想起してもらえた東芝やパナソニックは一般名詞のSEOに振り回される事はありません。
この例からも分かる通り、指名ワードであるブランド名、企業名や商品・サービス名が一般的に知られていないと検索市場や生成AI市場、マーケティング市場でも負けてしまう可能性が非常に高いことが分かります。
一般的に消費者が自分ごと化して購買意欲が出た時に購入する場所が店舗やwebであってもブランド名を想起してもらえなければ常に競合と比較され続けるので商品やサービスを選んでもらえる確率は比較された分だけ低くなります。
こうしたことからも分かる通り生成AIでサイトが見てもらえないかもしれないと不安に思うよりもブランドや商品、サービス、企業名等を想起をしてもらえるためのブランディング施策を実施する方が総合的なマーケティング的としてもプラスになると思います。
また生成AIにブランドを選んで貰える様になればブランド名を回答してくれる可能性も高くなります。
GEO(Generative Engine Optimization/生成エンジン最適化)が必要か?
GEOとは
GEOとはGenerative Engine Optimizationの略称で生成エンジン最適化です。
生成AI検索で自社の公式サイトやオウンドメディア等のコンテンツからAIの回答に引用、参照元にしてもらうための対策です。
SEOは検索結果の上位表示を目指しますがGEOはAIの回答に引用、参照元に選んでもらうことを目指します。
これまでのSEOと同様に検索エンジンや検索ユーザーへ信頼性や質の高いコンテンツを提供する事が重要です。
GEO対策は必要か?
検索エンジンは検索ユーザーへ有益な情報を提供するために質の良い、正しい情報のページを上位表示してくれます。
生成AIは膨大なテキストデータから情報を収集、学習して正確な回答をしてくれます。
SEOもGEOも仕組みを大まかに考えてみるとやっている事はSEOと余り変わらず、GEOはSEOの延長線上であると解釈できます。そうしたことからも分かる通り現段階では対策を講じる必要はないと判断しています。
今後どのように変わっていくかは分かりませんがLLMO(Large Language Model Optimization)やAEO(Answer Engine Optimization)、AIO(AI Optimization)、GEOは言葉が独り歩きしている様に感じ取れます。
ただSEOもGEOも質問(検索語句)に対する回答(検索結果)を提示している事は同じなので、色々な考えはあると思いますがこれまでやってきたSEO対策を引き続きやっていれば十分だと考えています。
やるべきこと
これまで通り「どの様なキーワードで検索されているか?」知る事や「Googleの検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド」にある基本をおさえおけば特に費用をかけて対策を講じる必要はないと考えています。
また対象顧客がAIにどの様なプロンプトを投げているか?を考えてそれに合う様な記事コンテンツ等を提供していくことの方が重要です。そうしたことを考慮して作成した記事コンテンツはAIの回答に引用され参照元に選ばれやすくなるハズです。
AIは膨大なweb上の情報を収集、対話することによって機械学習して回答しているのでweb上に提供する情報は必要不可欠です。競合他社に負けない顧客ニーズのあるコンテンツを提供していくことはこれまで通り変わりはないと考えています。
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